実行委員長

石塚吾(ア)歩(ポ)路(ロ)

愛知県立五条高等学校創立50周年記念祝辞

本日ここに、五条高等学校創立50周年記念式典が盛大に意義深く挙行され、多数のご来賓をおむかえして、皆様とともにお祝いできますことはとてもありがたく、私の深い喜びとするところであります。また実行委員会を代表いたしまして心から感謝申し上げます。

五条高校は、創立以来、各分野で活躍する有為な人材を数多く輩出し、地域社会に大きく貢献してきました。これもひとえに、歴代の校長先生をはじめとした教職員の皆様の献身的なご努力と、PTAや同窓会など学校関係の皆様のご理解とご尽力の賜物と、心より敬意を表する次第であります。

また、私たちの後輩となる在校生達の育成に携わっておられる教職員の皆様には、心からの感謝を申し上げるとともに、同窓会として、退職された方も含めた教職員やPTAと共にこれからも総力で応援し協力させていただくことを申し添えさせていただきます。

顧みれば本校は、昭和47年に地域の皆様の大きな期待を担う普通科高校として開校しました。以来、「誇りある学校」「希望をみたす学校」「心のふるさとたる学校」を目指し、高い目標に向かって挑戦しグローバル社会で活躍することのできる若者の育成に努めてきました。コロナ禍をはじめ国内外に多難な問題を多く抱える現代においても、むしろそのような時代だからこそ、五条高校で学んだ若者達はこのような困難にも積極的に立ち向かってくれるものと信じております。

最後になりましたが、この度は皆様のご支援を頂き、記念式典の成功を期して、溢れるばかりの熱意をもって日夜準備に努力してこられた皆様に厚く御礼申し上げます。そしてこれからのPTA、同窓会活動が個性ある、更に風格を備えたものになり、高校を力強く下支えしてくれるものと願っております。

本日の創立50周年記念式典を機に五条高校がますます飛躍をされますことをご祈念申し上げ、お祝いの言葉、感謝の言葉と致します。

校長
伊藤 正樹

50周年記念式典式辞

野の色にも吹き来る風にも秋の深まりを感じる今日の佳き日 、愛知県知事 大村秀 章様、愛知県教育委員会教育委員 佐々憲一様、愛知県議会議員 小木曽史人 様 、 愛知県公立高等学校長会副会長 須田文清様、あま市長 村上浩司様 、清須市長 永田純夫様、あま市教育委員会教育長 松永裕和様をはじめ、多くのご来賓の方々 のご臨席を賜り、愛知県立五条高等学校 創立五十周年記念式典をこのように盛大に 挙行できますことは、私ども職員,そして941名の在校生にとりまして、誠に大き な喜びであり、厚く御礼申し上げます。これもひとえに、創立当時から、本校教育の 充実・発展にご支援をいただきました地元あま市、清須市の皆様方やPTAの方々、さらには歴代校長先生はじめ旧教職員・同窓生の皆様のおかげと深く感謝申し上げ ます。

また、五十周年記念事業では、同窓生・PTAの皆様方から正門の改修工事をして いただき、きれいな正門となりました。今後は貴重な学校の財産として、新入生や保 護者を迎え入れ、卒業生を送り出すことになるでしょう。大切に使用させていただ きます。草を植えうるは一年の計、木を植えうるは十年の計、人を植えうるは百年の 計と申します。同窓会・PTAの皆様方のこのようなご厚志は、次なる五十年、百年 に向けて有為な人材を輩出していくための大きな支えとなるものと信じております。 心より感謝を申し上げます。

その新しくなった正門を入ったところに、生徒の皆さんは2本のヤシの木がある ことを知っていると思います。「なぜヤシの木があるのだろう。」と思った人もいる かもしれません。あのヤシの木は、カナリーヤシといって別名を不死鳥を表すフェ ニックスといいます。初代校長の久野保佑(くのやすすけ)先生が植樹したものと聞 いています。久野先生は学生時代を戦中戦後の広島で過ごされました。その学び舎 には、焼け野原となった広島の戦後復興のシンボルとして、このフェニックスが何 本か植樹され、現在に至っています。昭和四十七年四月に開校した本校はまさしく ゼロからのスタートです。あの2本のフェニックスは本校の発展を祈念し、思いを 込めて植樹されたものなのです。それから五十年 、一万七千名を超える若人が志を もって本校に入学し、学校行事や学習活動に青春の汗を流し、卒業の後には、地域は もとより県の内外において、有為な人材として活躍してきました。生徒の皆さん、皆 さんはこれまでの先輩方が築かれてきた輝かしい伝統と校風をしっかりと受け継ぐ とともに、皆さんの家族はもとより、先輩方や地域の方々によって支えられ、励まさ れていることをけっして忘れてはいけません。 二十一世紀をたくましく、力強く生 きる人間として、地域社会にしっかりと貢献するとともに母校となる五条高校をこ よなく愛し続けて欲しいと切に願っています。

さて、人工知能が人間の脳を超える技術的特異点を迎えるとの予測から今から三 十年後には、多くの仕事が人工知能に取って代わり、子供たちの多くが、今は存在し ていない職業に就くと言われています。誰もどのような社会が実現されていくか正 確に予測できません。しかし生徒の皆さんはコンピュータにはできない、専門性が 高くクリエイティブな仕事に就くことが増加することは予想できます。そうした仕事に就くために皆さんには学び続けることが求められます。 皆さんが社会人として 活躍するころには、就職してからも、学校などの教育機関に戻り、学習し、また社会 へ出ていくということもありえると思います。そうした時代の到来を考えたとき、 五条高校は、これからの時代を生き抜くため、また混迷する社会の中で光り輝く有 能な人材を育成するための教育に取り組まなくてはいけません。

具体的には、校訓を実践することです。本校は校訓「あかるく・さとく・たくまし く」のもと「誇りある学校・希望をみたす学校・心のふるさとたる学校」を目指して います。この校訓「あかるく・さとく・たくましく」は、混沌とする社会を生き抜く 指標となりえるものです。五条高校の生徒諸君には楽しい時はもちろん、苦しいと きも「あかるくさとくたくましい人」であって欲しいと思います。明るくあるために はあいさつができ、日頃の行動にこころの内面がにじみでるような人となることが 大切となります。さとくあるためには、毎日の授業を通して自ら興味・関心を持ち、 見通しをもって粘り強く取組むとともに、生徒同士の協働、教職員や地域の人との 対話、先哲の考え方を通して、自己の考えを広げることが大切となります。たくまし くあるためには、いのちを尊び、こころやからだを鍛えるとともに他を受け入れ、認 め、自分のことと同じように人のことを考えることが大切となります。混沌とした 状況の中で問題を発見し、答えを生み出し、新たな価値を創造していくための資質 や能力を身につけ、これからの人生を力強く歩んでいく「生きる力」を五条高校は育 んで参ります。

最後になりましたが、歴代校長先生を初めとする、旧職員の皆様方のこれまでの 多大なるご功績に対しまして敬意を表しますとともに、地域の皆様、愛知県、あま 市、清須市、同窓会、PTA等全ての関係の皆様方のご芳情に感謝申し上げます。今 日まで先輩諸氏が築いてこられた伝統を引き継ぎ 、地域の発展に貢献する学校とし て、新たな歴史の一歩を踏み出すことをお誓いするとともに、ご多用のところ、ご臨 席を賜りましたご来賓の皆様には重ねてのお礼と、今後とも本校に対しまして一層 のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、式辞といたします。

令和三年十月二十七日